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【注目】レンガ造りの家

レンガ・木材・板・塗り壁・石…と輸入住宅に使用される外壁について様々な素材がありますが、中でもいま注目したいのが「レンガの家」。
レンガ壁の主な種類や東京都内の施工会社、レンガを素材にすることのメリット・デメリットについて解説します。

レンガ壁の種類-
積みレンガとスライスレンガ

本物のレンガを外壁に使用する施工には、「積みレンガ」と「スランスレンガ」という2種類の方法があります。

レンガを積み上げる「積みレンガ」

積みレンガは、レンガを職人が一つ一つ手作業で積み上げていく施工方法
伝統的な工法に近く、自然と重厚感が醸し出されるほか、個々のレンガを噛み合わせるため構造的にスライスレンガ(後述)より丈夫です。
耐震性を高めるために、レンガの中に鉄筋を通す工法も。地震の多い日本でも比較的安心できるレンガ造りの家を実現します。
施工の費用はスライスレンガと比較すると2倍近くかかり、施工期間も長くなる傾向が。しかし一度建ててしまえばメンテナンスフリーで、素材が朽ちにくいので100年近く同じ外観を保てます。むしろ年月が重なるごとに深みを増していく様子は、風情のある外壁と言えるでしょう。

積みレンガの輸入住宅が建てられる東京のおすすめ2社

レンガの外壁の家を建てられる会社は複数ありますが、「積みレンガ(レンガ積み工法)」での外壁作りとなると、技術と設備のある会社は少なくなります。当サイトで紹介している都内に対応した輸入住宅メーカーの中で、レンガ積み工法を取り扱う会社を紹介します。(2021年10月時点)

1天草ハウジング

天草ハウジングの積みレンガは、本物の焼きレンガを一つずつ手積みする職人技。伝統の手法を踏襲しており、現地の建物をそのまま移築したような独特の雰囲気を醸し出します。
レンガを積んだ壁を作るだけでなく、そのストーリーに説得力を持たせるための手段も豊富。例えば「煉瓦積み外壁専用窓飾り」は、積みレンガの壁に取り付ける窓周辺の装飾ボリュームを調整する飾り。絵画のフレームのような窓飾りは、より凹凸がはっきりしたGRC(ガラス繊維配合コンクリート)製を採用し、レンガの風合いと引き立たせ合うことで豊かな表情を創り出します。その他、邸宅の風情を醸し出す「塔屋(コーナー)」のカーブに沿った施工も得意です。
レンガの色はレッド・ピンク・イエローが標準。その他、オプションとしてホワイトを用意。

天草ハウジング-積みレンガの家実例1 引用元:天草ハウジング公式HP(https://www.amakusa.co.jp/seko/s_blaregn/s-sound-2.html)
天草ハウジング-積みレンガの家実例2 引用元:天草ハウジング公式HP(https://www.amakusa.co.jp/seko/s_blaregn/s-queen-anne-2.html)
天草ハウジング-積みレンガの家実例3 引用元:天草ハウジング公式HP(https://www.amakusa.co.jp/seko/s_blaregn/s-flowerqueenann-2.html)
天草ハウジング-積みレンガの家実例4 引用元:天草ハウジング公式HP(https://www.amakusa.co.jp/seko/s_blaregn/s-karuizawa-2.html)
天草ハウジング-積みレンガの家実例1のサムネイル画像
天草ハウジング-積みレンガの家実例2のサムネイル画像
天草ハウジング-積みレンガの家実例3のサムネイル画像
天草ハウジング-積みレンガの家実例4のサムネイル画像
2ケンブリック

ケンブリックでは、木造軸組工法や2×4工法と合わせたハイブリッド工法(各工法の外側にレンガの組積造を組み上げます)により積みレンガの家を実現。
木造住宅で使用する断熱材はどれでも対応可。さらにそれらの外側を厚さ70mmのレンガが建物をぐるっと包むことで、断熱性能upを図ります。
積みレンガは最初のコストこそかかるものの、モルタル吹付やサイディングなどで必要になる10年後のメンテナンスは不要としているケンブリック。歴史ある表情の家を、後世に長く残します。

ケンブリック-積みレンガの家実例1 引用元:ケンブリック公式HP(http://www.kenbrick.co.jp/case/case13.html)
ケンブリック-積みレンガの家実例2 引用元:ケンブリック公式HP(http://www.kenbrick.co.jp/case/case12.html)
ケンブリック-積みレンガの家実例3 引用元:ケンブリック公式HP(http://www.kenbrick.co.jp/case/case11.html)
ケンブリック-積みレンガの家実例4 引用元:ケンブリック公式HP(http://www.kenbrick.co.jp/case/case6.html)
ケンブリック-積みレンガの家実例1のサムネイル画像
ケンブリック-積みレンガの家実例2のサムネイル画像
ケンブリック-積みレンガの家実例3のサムネイル画像
ケンブリック-積みレンガの家実例4のサムネイル画像

レンガを張り付ける「スランスレンガ」

スランスレンガはブロックレンガを薄くスライスしたものを、積み上げるのではなく、張り付けることで外壁に施工します。カットした分軽くなるため、持ち運びなどの負担が軽減されて家屋本体への負担を減らします。また、本物のレンガなので風合いや質感については変わりません。
工法は「乾式」と「湿式」の2種類。乾式工法は断熱材などの上にシートを取付け、その上からレールで釘を固定してスライスレンガをはめこみます。その後モルタルを目地部に流し込んで固定。比較的短期間で工事を終えることが可能です。
湿式工法は、モルタルを下地全体に塗り付けてスライスレンガを張り付けます。レールを用いないため直線的になりにくく、遊び心あるデザインも可能です。

レンガのメリット

高い耐熱性と蓄熱性

レンガは断熱性と蓄熱性に優れているという特徴があります。それはレンガの内側にたくさん気泡があって熱が伝わりにくいため。
年間を通して室内温度を一定に保てるという理由から、昔からの大型倉庫にはレンガ造りのものが多くあります。
夏は涼しく、冬は暖かい住まいを実現。レンガの家は、一年中快適な空間を提供してくれます。

メンテナンスがほぼいらない

住宅の一般的な外壁は10年を目安に定期的なメンテナンスが必要になりますが、レンガ造りの家はその限りではありません。

レンガは紫外線や雨風に強く、カビが生えにくい特徴があり、劣化も少なく長持ちする素材。
古いレンガ造りの建物がなお鮮やかに現存するのを見ればわかる通り、大抵は数十年~100年後も同じ佇まいで残り続けます。

時の経過とともに多少の傷はつきますが、それも独特の趣きとして包み込んでしまう懐の深さもレンガ壁の長所。
初期費用は他の外壁よりかかりますが、ランニングコストはほとんどかかりません。

レンガのデメリット

実績のある施工業者が少ない

日本はまだまだ、レンガの家の建築実績が少ないのが現実です。

レンガ造りの家を施工するためには、施工する側がレンガの特性に精通している必要があります。一般的な住宅の外壁に比べて、強度・見栄えを確認しながら積み上げたりスライスをひっかける・貼りつけたりする作業は難易度が高く、より専門的な施工技術が求められます。

レンガを良く知らない業者が作る場合、ひび割れや破損が発生したり、住宅としては思いがけない欠陥が起こったりするような家になる可能性も否めません。
これらを防ぐには、過去にレンガの家の建築実績がある施工業者や、公式HPなどで素材や手順を詳しく説明している(知識と技術を有している)施工業者を選ぶことが非常に大切になります。

リフォームが難しい

レンガ造りの外壁は、ひとつひとつのレンガを積み上げて作るためとても堅牢。
そのため、気軽なリフォームはできなくなります。
一部分だけ補修したくてもその部分だけレンガを外せばOKというわけではなく、全体に影響する大掛かりな工事を行なう必要があります。

レンガ造りの家を建築する際には、長く住み続けられるように念入りな設計が必要となります。

※施工方法によっては破損した部分のみ取り替えることもできるようです。計画段階で担当者によく確認してください。

Area selection
当サイトで紹介している、本社を東京に構える住宅メーカーで、
輸入住宅事業の歴史が長い3社を紹介

(2020年3月時点の調査内容です。)

スウェーデンハウス

スウェーデンハウス

引用元:スウェーデンハウス公式HP(https://www.swedenhouse.co.jp/voice/corner/exterior/)

設計方法


セミオーダー

設立

1984年

本物素材

北欧産ほか

都内モデルハウス

あり

天草ハウジング

天草ハウジング

引用元:天草ハウジング公式HP(https://www.amakusa.co.jp/seko/s_blaregn/s-karuizawa-2.html)

設計方法


完全自由設計

設立

1977年

本物素材

北米・カナダ

都内モデルハウス

あり

メープルホームズ

メープルホームズ

引用元:メープルホームズ公式HP(http://www.maplehomes.co.jp/case/timber/)

設計方法


完全自由設計

設立

1986年

本物素材

北米

都内モデルハウス

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※各社の設計方法について、このサイト内では下記定義づけしています。
・完全自由設計とは、既存プランや既存パーツを組み合わせるのではなく、施工主の要望に合わせて間取りや素材を要望通りに設計・施工してくれる住宅。
・セミオーダーとは、ある程度決められたパターンの中から、好きなものを組み合わせて設計・施工をしてくれる住宅。
・自由設計とは、設備の仕様は建築会社指定になりますが、間取りを希望通りに決めることができる住宅。