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輸入住宅に使われる木材は?

輸入住宅に使われる木材の多くは、北アメリカや北欧から輸入されています。耐久性や断熱性、デザイン性など木材によって特徴はさまざまです。ここでは、輸入住宅に使用される木材の種類を紹介します。

北欧の素材

フィンランドやスウェーデンなどの北欧から輸入されている代表的な木材を見ていきましょう。

オーク

広葉樹のひとつ、オーク材の特徴は色味の豊富さです。ホワイトオークやレッドオーク、イエローオークやチェスナットオークなどの種類があります。温かみや高い耐久性、耐水性を兼ね備えているため、フローリングや階段、キッチンキャビネットなどに使用されています。

北欧レッドパイン

レッドパインの正式名称は、ヨーロッパアカマツ。白みのある色合いで、肌触りは滑らか。やわらかいため加工しやすい特徴があります。窓枠やドアなどの内装材のほか、床材や家具にも使われています。

ウォールナット

ウォールナットは、硬度、耐久性が高いのが特徴です。ブラウンベースの色合いは温かみのある印象を与え、触り心地はツルツルと滑らか。フローリングのほか、ダイニングテーブルなどの家具としても人気を集めています。

タモ

タモ材は、木目がはっきりとしているのが特徴的です。まっすぐに伸びた木目を生かし、フローリングなどによく使用されています。近年では流通量は減少傾向のようですが、高級家具としても代表的な木材となっています。

北米の素材

アメリカやカナダなどの北米から輸入されている木材を紹介します。

米マツ

日本に古くから多く輸入されている米松は、ダグラスファーとも呼ばれています。針葉樹の中でも重く硬い材質が特徴です。黄色を帯びた赤褐色のイエローファー、赤褐色のレッドファーがあります。比重が重いため、構造材や窓枠、ドアなどによく使われています。

米スギ

別名レッドシダーは、柔らかさ、軽さ、耐久性がある木材です。割れにくく、水に触れても腐りにくいため、日本の気候にも適しています。外装材やウッドデッキ、天井板などにも用いられている扱いやすい建材です。

ツガ

淡い褐色と荒い木肌が特徴的なツガは、北米西部で採取できる針葉樹のひとつです。加工しやすいため、階段やドアといったデザイン重視のところに使用されています。一方、水に弱い側面を持つため、水回りやフローリングには適していません。

メープル

メープル材は2種類あります。ハードメープルは、重厚で摩擦や衝撃に強い特徴を持ちます。一方、ソフトメープルは加工がしやすいです。どちらも耐久性があるため、ハードメープルはフローリングなどの床材に、ソフトメープルはドアなどに用いられています。

「ウッドショック」とは?

ウッドショックとは、輸入木材の不足によって価格が高騰し、混乱を招いている状況を指します。2021年3月頃から住宅業界の中で叫ばれるようになってきました。現在もウッドショックの影響は続いており、解消は未定となっています。

ウッドショックが起きた背景や輸入住宅に与える影響を紹介します。

ウッドショックが起きた背景

ウッドショックが起きた背景には、木材の生産体制や近年のコロナウイルスの影響が関係しています。

木材は成長するまでに時間がかかる

1つめは、木材が成長するまでにかかる年月です。現在、日本の住宅メーカーが使用している木材は、7割が輸入材と言われています。なぜ輸入材に頼っているのか、理由は戦時中にありました。戦時中、森林が伐採され戦後に住宅需要がひっ迫。木は植えてから市場にでるまで30年以上の年月がかかるため、海外からの輸入に頼るようになったとされています。

新型コロナウイルスの影響

2つめは、新型コロナウイルスの影響です。現在も輸入に頼っている中で起きたコロナウイルスが、木材不足に拍車をかけました。コロナウイルスは世界中で脅威をもたらし、コロナ禍で労働者が減少。思うように伐採ができず、工場の稼働率が下がってしまい十分な量の輸入材が日本に入ってこなくなってしまったのです。

コンテナ不足

3つめは、コンテナ不足です。コロナ禍によりネットショッピングの利用が増加。世界的にコンテナの不足が起きています。くわえて2021年3月にスエズ運河で発生した大型コンテナ船の座礁事故も日本へのコンテナ輸送の遅れに追い打ちをかけました。

ウッドショックが輸入住宅に与える影響とは

ウッドショックがもたらす影響には以下のようなものがあります。

ウッドショックの影響は、輸入住宅だけに限らず、木材を使用する多くの会社にとって大きな問題となっています。ウッドショックでは、とくに米マツやレッドウッドなどの価格が高騰していますが、これらの木材は、木造住宅の梁材(柱を柱をつなぐ材)に利用されています。そのため、購入しなければ、住宅を建てることができないのです。

また、購入できたとしても「工期が未定」というケースもあります。建材が手元に届かない限り着工ができないため、引き渡し時期を明確にすることが難しく、契約者からキャンセルされる場合もあるようです。

Area selection
当サイトで紹介している、本社を東京に構える住宅メーカーで、
輸入住宅事業の歴史が長い3社を紹介

(2020年3月時点の調査内容です。)

スウェーデンハウス

スウェーデンハウス

引用元:スウェーデンハウス公式HP(https://www.swedenhouse.co.jp/voice/corner/exterior/)

設計方法


セミオーダー

設立

1984年

本物素材

北欧産ほか

都内モデルハウス

あり

天草ハウジング

天草ハウジング

引用元:天草ハウジング公式HP(https://www.amakusa.co.jp/seko/s_blaregn/s-karuizawa-2.html)

設計方法


完全自由設計

設立

1977年

本物素材

北米・カナダ

都内モデルハウス

あり

メープルホームズ

メープルホームズ

引用元:メープルホームズ公式HP(http://www.maplehomes.co.jp/case/timber/)

設計方法


完全自由設計

設立

1986年

本物素材

北米

都内モデルハウス

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※各社の設計方法について、このサイト内では下記定義づけしています。
・完全自由設計とは、既存プランや既存パーツを組み合わせるのではなく、施工主の要望に合わせて間取りや素材を要望通りに設計・施工してくれる住宅。
・セミオーダーとは、ある程度決められたパターンの中から、好きなものを組み合わせて設計・施工をしてくれる住宅。
・自由設計とは、設備の仕様は建築会社指定になりますが、間取りを希望通りに決めることができる住宅。