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輸入住宅でできる防音対策

騒音トラブルと聞くとマンションのような集合住宅で起こるトラブルという印象を持つ人も少なくありませんが、実は戸建ての並ぶ住宅地でも十分起こり得る問題です。家と家が隣接している場合もそうですし、音の種類や大きさによっては離れた場所にまで届いて騒音になることもあるからです。せっかく憧れの輸入住宅を建てるのですから、騒音に悩まされることのない快適な家、ご近所の迷惑にならない好印象の家にしたいものですよね。そこでここでは、騒音となり得る音の種類とその対策方法についてご紹介します。

騒音の種類

生活するうえで「騒音」になり得る音は、その発生源から次の4つに種類分けすることができます。

住宅用機器による音

ここで言う住宅用機器とは主に家電製品のことで、特に洗濯機や乾燥機、掃除機、エアコンの室外機、加湿器や空気清浄機など使用中にモーター音などを発してしまう器械を指します。出力が大きくなればなるほどモーター音も大きくなるため、例えば自宅の一室をホームサロンにして出力の高い器械を使用するとご近所に響いてしまう可能性がありますし、一般家庭用サイズのものでも深夜に使用すればやはり騒音となってしまうことがあります。

設備機器による音

設備機器とはトイレや浴室、台所などの排水管、給湯器や排気ダクトなど、前述の家電とは異なりもともと建物の建設時に設備として設置されている器材のことを指します。こう言った設備の運転開始時の異音やトイレなどの排水音は意外にも大きく、特に夜間、隣接している部屋では就寝中でも目が覚めてしまうほど響くことさえあります。また新築の場合は心配ありませんが、古い建物の場合ドアや窓の開閉音が騒音となってしまうことも。これらの設備音の多くは空気を振動させることで伝わる「空気音」というより壁や床などの固体物を振動させることで伝わる「固体音」であることが多いため、しっかりと扉や窓を閉めて密室にしていても他の部屋や家に伝わってしまうのです。

音響機器による音

その名の通り、テレビやステレオ、楽器などの音響機器から発せられる音のことで、基本的にはこれらは前述の「空気音」であるため空気の振動を遮る、つまり窓やドアをしっかりと閉めるだけでも軽減されますし、そもそも音量調節が可能であるため夜間はボリュームを絞る、ヘッドホン・イヤホンを使うなど使用する側が常識的に注意していれば騒音トラブルとなる心配は殆どないでしょう。ただ電子ドラムのように音量自体は調節できても、ペダルを踏むなど壁や床に物理的な振動を与えるものの場合は固体音が残ってしまうため、これが騒音になる可能性はあります。またピアノやバイオリンのように音量調節ができないものの場合は、防音室を設置するなどの特別な対策が必要になるでしょう。

生活音

ここで言う生活音とは、前述の設備や器械による音以外の生活行動に伴う音のことで、例えば話し声や笑い声、赤ちゃんの泣き声、子供が走り回る足音、またペットの鳴き声なども含まれます。特に夜の時間帯に窓を開けていると普通の話し声でも近隣の人は気になってしまうことがあるのですが、音の発生源となっている本人には騒音という自覚がないため余計にトラブルになりやすく、しばしばニュースなどで話題になるのもこのタイプの騒音です。

騒音の基準とは

音の大きさは「dB(デジベル)」という単位で表されますが、環境省の定めた基準値によると昼間は55dB以下、夜間の場合は45dB以下が望ましいとされており、これ以上の数値になると「騒音」になり得ると言われています。目安としては、昼間でも「うるさい」と感じる60dBの音はトイレの洗浄音や車のアイドリング音、洗濯機の音などで、昼間なら不快に感じることのない50dBの音は家庭用クーラーの室外機や換気扇の音、夜間でも気にならい程度の40dBは図書館内や静かな住宅地の昼間、とされています。ただしこれはごく一般的な人が感じる平均的な「騒音」の基準であり、人によってとらえ方には差があります。例えば兄弟の沢山いる家で育った人なら他の人の話し声や笑い声も気になりませんが、家族の少ない静かな環境で育った人ならそのような音さえも気になってしまうかもしれません。

参照元:環境省|騒音に係る環境基準についてhttps://www.env.go.jp/kijun/oto1-1.html

防音には遮音と吸音もある

マイホームの快適性や近隣への配慮を考えれば、建物に防音対策を施しておくことは賢明なことですが、そもそも「防音」とは漢字の通り「音を防ぐこと」であり、具体的な方法を指すものではありません。防音の具体的な対策方法は、大きく分けて「遮音」と「吸音」の2つ。「遮音」とは空気を遮断することで空気を通して伝わる空気音を遮ろうというもので、例えば遮音性の高い壁を設置すれば、そこに当たった空気の振動(音)が跳ね返るためそれ以上先(外)へ進むのを防いでくれます。つまり音漏れがしにくいということ。ただしあまりに遮音性が高いと室内の音が跳ね返り続けていわゆる「反響音」となってしまうため、音が聞き取りにくくなってしまうこともあります。

一方「吸音」とは音を跳ね返すのではなく吸収する素材を使って行う防音のことで、防音室の壁に設置されているのも吸音素材の1つです。そのメカニズムとしては、吸音材に空いている無数の小さな穴が音を取り込み、中で拡散させることで吸音材とこすれ合って摩擦を起こさせ、熱エネルギーに変換させるというもの。こうして反射される音の量を減らすことで防音を可能にしているというわけです。吸音材として用いられることが多いのはグラスウールやロックウールなどで、反射音をゼロにしたいのであれば音の波長の1/4以上の厚みのある吸音材を設置する必要があると言われています。

防音対策

輸入住宅における防音対策としては、まず遮音を基本として考えつつ必要に合わせて吸音も組み合わせるという方法がお勧めです。

輸入住宅の遮音方法

住宅における音漏れの原因の多くは窓にありますから、窓を二重サッシにしたり窓ガラスを遮音性の高い防音ガラスや真空ガラスにするだけで、かなりの程度騒音を防ぐことができます。同じように床や壁、天井も二重構造にするなら空気音を遮断できるだけでなく固体音も軽減できるため、設備機器による音の防音効果も高まります。塗料にもセラミック効果で音を反射してくれる防音塗料というものがありますから、屋根や外壁塗装に使用しても良いでしょう。

輸入住宅の吸音方法

グラスウールやロックウールなどを仕切りの下地に埋め込むことで吸音効果のある壁になるだけでなく、断熱効果も得られるため外気温の影響を受けにくい快適な部屋になります。ただしこれは設計・施工の時点で計画しておかなければならないため、施工後、後付けで吸音対策をする必要がある場合には、壁の上から貼ることのできる吸音パネルやクッション粘着シートなどを利用すると良いでしょう。また遮音シートを排水管に巻いたり、床用防音シートや吸音カーペット、畳などを床に敷くといった方法もあります。

Area selection
当サイトで紹介している、本社を東京に構える住宅メーカーで、
輸入住宅事業の歴史が長い3社を紹介

(2020年3月時点の調査内容です。)

スウェーデンハウス

スウェーデンハウス

引用元:スウェーデンハウス公式HP(https://www.swedenhouse.co.jp/voice/corner/exterior/)

設計方法


セミオーダー

設立

1984年

本物素材

北欧産ほか

都内モデルハウス

あり

天草ハウジング

天草ハウジング

引用元:天草ハウジング公式HP(https://www.amakusa.co.jp/seko/s_blaregn/s-karuizawa-2.html)

設計方法


完全自由設計

設立

1977年

本物素材

北米・カナダ

都内モデルハウス

あり

メープルホームズ

メープルホームズ

引用元:メープルホームズ公式HP(http://www.maplehomes.co.jp/case/timber/)

設計方法


完全自由設計

設立

1986年

本物素材

北米

都内モデルハウス

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※各社の設計方法について、このサイト内では下記定義づけしています。
・完全自由設計とは、既存プランや既存パーツを組み合わせるのではなく、施工主の要望に合わせて間取りや素材を要望通りに設計・施工してくれる住宅。
・セミオーダーとは、ある程度決められたパターンの中から、好きなものを組み合わせて設計・施工をしてくれる住宅。
・自由設計とは、設備の仕様は建築会社指定になりますが、間取りを希望通りに決めることができる住宅。