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オシャレな輸入住宅にも様々な種類があります。その地の風土の影響を受ける輸入住宅は海外の設計思想に基づき建てられています。そのために、輸入先の違いによってもデザインや工法などは異なります。ここで、輸入住宅ごとの種類と特徴について見ていきましょう。
輸入住宅の例として、北米スタイルや欧州スタイルが挙げられます。その北米スタイルや欧州スタイルの中でも、その国や地方によって異なります。ここでは、北米スタイルと欧州スタイルの代表的な例を紹介しています。各々の特徴を知ることで、輸入住宅の背景にある文化を知ることができるでしょう。
17・18世紀にヨーロッパ人が、アメリカ大陸に建築文化をもたらしました。ヨーロッパの建築からアメリカ大陸の風土に合わせて独自の建築文化を築きました。そのために、北米大陸でもその地方で様々な建築スタイルが存在しています。ここでは、ジョージアンスタイル、ニューヨークスタイル、カリフォルニアスパニッシュ、アーリーアメリカンスタイル、カナディアンスタイルを例に挙げて紹介しています。
ジョージアンスタイルは、イギリスのハノーバー朝のジョージ1~4世の時代に始まった建築様式です。この時代は産業革命が始まった時でもあり、ジョージアンスタイルの家具等も作られています。外観はシンメトリー威厳のあるデザインで、アメリカにはコロニアルスタイルとして、主に東部で普及しました。ジョージアンスタイルの住宅は、窓は大きな上げ下げ式となっており、対象性を意識した均整な住宅といえます。
流行を追うニューヨークスタイルの住宅は、レトロとモダンが融合したデザインとして芸術的な仕上がりの家です。また、赤煉瓦造りの住宅も存在し、温かみのある建築で魅力的です。ニューヨークスタイルの住宅には、レンガや木材などに自然素材がよく使われており、温かみと高級感を漂わせます。オシャレなニューヨーカーが暮らすニューヨークスタイルの住宅は、性能もデザインも見事に洗練され、暮らしを楽しむことができるでしょう。
カリフォルニアスパニッシュスタイルは、イギリスとスペインの文化の影響を受け、アメリカ南西部で普及しました。石や木材に自然素材が活用され、カリフォルニアの青い青皿が似合うカリフォルニアスパニッシュスタイルは、まるでリゾートに住んでいるような快適さを感じます。カリフォルニアスパニッシュスタイルの住宅は、開放的な空間でリラックスして過ごすことができる家といえるでしょう。
アーリーアメリカンスタイルは、17~18世紀にイギリスがアメリカを植民地としていた頃の建築様式です。板を重ねて仕上げる外壁と三角形の切妻屋根の外観です。素朴な印象のアーリーアメリカンスタイルは、代表的な輸入住宅の1つとなっています。素朴でシンプルな建物であるために、他の土地にも馴染みやすい住宅といえるでしょう。
カナダの厳しい冬でも快適に過ごせるようにカナディアンスタイルは、高断熱・高気密住宅に仕上っています。また、デザインの種類は豊富で好みに合わせて選択することが可能です。デザインと高性能を兼ね備えることが、カナディアンスタイルの特徴といえます。カナダは環境保護活動に熱心であるために、カナディアンスタイルは環境配慮に優れている住宅ともいえます。このように、カナディアンスタイルは、多方面に優れているといえるでしょう。
欧州スタイルの輸入住宅もその国や地方によって様々です。それは、その国や地方の歴史や風土に住宅の造りやデザインが影響を受けているからです。ここでは、スパニッシュスタイル、チューダースタイル、イタリアネイトスタイル、スカンジナビアン(北欧)スタイル、プロバンススタイル、フレンチスタイルについて紹介しています。
南欧の温かさを感じる暖色系の壁と瓦に象徴されるのが、スパニッシュスタイルの住宅です。緩やかな勾配の屋根もスパニッシュスタイルの特徴で、まるで地中海のリゾートのようです。美しいアーチや味わい深い外壁のスパニッシュスタイルの住宅は、南欧の暮らしを好む人に向いている住宅といえるでしょう。
15~17世紀のイギリスで、ゴシック様式をベースに生まれたのがチューダースタイルの住宅です。柱、梁、窓台が装飾の役目を兼ねるハーフティンバー構造がチューダースタイルの特徴といえます。勾配が急な屋根やレンガ造りの外壁のチューダースタイルの住宅は、垂直線を強調するところにゴシックの名残があり、装飾にはルネサンスの影響を受けています。
イタリアネイトスタイルは、窓や玄関などに美しい装飾が施され、優雅な雰囲気の住宅です。軒を飾る腕木や雨傘のような大きな屋根が設けられ、どこかクラシックな雰囲気も醸し出していることが特徴です。また、イタリアネイトスタイルは、アメリカで後に普及したためにアメリカンブランケット様式ともいわれています。
北欧の冬は厳しく、日照時間が短いために室内で多くの時間を過ごします。そのような風土の建築様式であるスカンジナビアン(北欧)スタイルの住宅は、シンプルなデザインが中心で、断熱性に優れた自然素材を多く使用しています。スカンジナビアン(北欧)スタイルの住宅の特徴は窓にあります。太陽光を取り入れる採光性に優れた窓を設置し、部屋を明るくするだけでなく、室内の温度を温められるよう設計されています。寒い冬を快適に暮らせるように設計された住宅といえるでしょう。
フランス南東部のプロバンスは、地中海のリゾート地として有名です。そして、その地の建築様式であるプロバンススタイルの住宅は、強い日差しを受けるために、断熱性の白い壁やオレンジ色の瓦が使用された造りとなっています。青空と太陽が似合うプロバンススタイルの住宅は、地中海の大らかな風土を想起させる住まいといえるでしょう。
南フランスの乾燥した気候のプロバンススタイルとは異なり、雨が多い北フランスのフレンチスタイルの住宅は、雨水を流しやすくするために尖った三角屋根をしています。瓦もプレート性のものを使用し、雨水の流れやすさに配慮しているのが特徴です。そうした事情があるために、外観はオシャレなとんがり帽子の家に見えます。どこかアンティークな雰囲気のフレンチスタイルの住宅を日本で建てる時には、風土の違いにも目を向けることが必要です。
(2020年3月時点の調査内容です。)
※各社の設計方法について、このサイト内では下記定義づけしています。
・完全自由設計とは、既存プランや既存パーツを組み合わせるのではなく、施工主の要望に合わせて間取りや素材を要望通りに設計・施工してくれる住宅。
・セミオーダーとは、ある程度決められたパターンの中から、好きなものを組み合わせて設計・施工をしてくれる住宅。
・自由設計とは、設備の仕様は建築会社指定になりますが、間取りを希望通りに決めることができる住宅。